平成23年4月吉日

 FAシステムエンジニアリング株式会社(社長 中村康則 住所:愛媛県松山市北藤原町1-26)および株式会社NHKメディアテクノロジー(社長 西山博一 住所:東京都渋谷区神山町4-14)は、帝京大学(住所:東京都板橋区加賀2-11-1)医学部附属病院泌尿器科 主任教授 堀江重郎先生と同医療情報システム研究センター客員教授 杉本真樹先生らによる、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を中心とした統合インテリジェント手術室 "Teikyo Robotics Innovation Center"構想に向け、共同研究を実施しています。

 2011年4月6日、手術支援ロボット「ダヴィンチ」による3D手術映像を、リアルタイムに外部の裸眼3Dモニターへライブ中継するという世界初の快挙を達成しました(写真1)。

 「ダヴィンチ」は、3本のロボットアームと内視鏡(腹腔鏡)を遠隔操作する手術ロボットで、術者は2つのCCDから得た3D内視鏡の映像を見て手術操作をします。ところが従来の術者以外の助手・介助者が参照する画像は通常2D映像で、奥行情報がありませんでした。 近年3Dメガネ方式(偏光式, シャッター式)により助手も3D映像をみることができますが、手術中のメガネの脱着は非常に煩雑です。今回実現したリアルタイム裸眼3D中継(メガネ無し)は、術者と同じ適切な奥行情報を3D映像により手術助手に与え、スムーズで安全かつ繊細な手術操作を実現しました。

 さらにロボット手術シュミレーションおよびトレーニングとして、 生体質感造形(Bio-Texture Modeling)技術(特許出願済)による立体臓器樹脂模型を用いたことで、3D内視鏡による高解像度立体映像が臓器の質感(硬さや柔らかさ)を再現でき、「ダヴィンチ」の欠点である触覚の欠如を補完できることを実証しました。これも世界初の試みでした(写真2)。

 さらに「ダヴィンチ」の3Dモニター画面を3分配し、画像解析ソフトOsiriX にて術者がタッチパッド操作にてCT画像を3D再構築する手術ナビゲーションと、遠隔双方向通信(Tele-mentoring)によるコンサルテーションを同時に提示することに成功しました。これにより遠隔地との3D映像を基調とした双方向コミュニケーションの可能性が見えてきました(写真3)。
以上

写真1 写真2 写真3
裸眼3Dモニター表示(左)によるdaVinci手術遠隔リアルタイム中継 生体質感造形(Bio-Texture Modeling)による立体臓器模型手術シミュレーション daVinci3分割モニター
 上段: daVinci手術映像
下段左: OsiriX3D画像解析
下段右: 遠隔双方向通信

「ダヴィンチ」3Dハイビジョン医療コンテンツ


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